浅葱色の約束。
「頑張ろうな。俺たち一番最年少やけど、
…それでも絶対に立派な武士になろうや」
少年は少し大人びた横顔をしていた。
空に拳を突き立てて、その拳を私に向けてくる。
同じように握ってトンッと合わせた。
「うん」
「…ったく、今は笑うとこやんか!」
両頬を引っ張られる。
びよーんと伸びて、それを見てぶはっと吹き出す男は1年前と変わったようで変わってはいない。
「い、いひゃいっへ…!ひゃふひゃほっ」
「ふはっ!お前って土方さんに似てるわ」
スッと痛みは遠退く。
「…僕と土方さんは親子じゃないよ」
「そりゃそうや!親子やったら無愛想な上に眉間寄ってて最悪やで!?」
「土方さんに言っちゃお」
「嘘やって!頼む梓!ごめんやん!」
この先待ち受けるどんな困難にも立ち向かえる気がした。
まだ人を守れない小さな手でも、同じように小さな手がもう1つ加われば。
それはきっと誰かを守れるって。
「俺、お前に出会えて良かったわ!」
「───……僕も」
「っ…!お前、笑った!」
「え、」
「なんで戻すねん!勿体ぶんなや!」