浅葱色の約束。
そんな私達の声に、明かりの灯る屯所から男達は顔を出しては笑う。
歳が近い朔太郎は厄介だと思ったけど、あれは訂正しよう。
また少し家族感が増したみたいで嬉しかった。
「あのね土方さん、僕が清水寺に行こうって言ったの…!」
「あ、あずさぁ…」
「それで朔太郎は付き合ってくれただけで…!だから僕が悪いんだよ!」
「梓…!お前大好きやっ!」
朔太郎、ちょっと黙っててほしい。
せっかく庇ってるのにそんな反応したら嘘だってバレてしまう。
「いま何時だ」
「え…っと、……真っ暗な、時間…です」
「そうだ、とっくに日没してることなんざ見て分かるよなぁ?あ?」
「……はい」
まぁ、だとしても。
どんなに私が庇ったところで相手は鬼の副長。
全く効果はない。
「そこに座りやがれクソガキ共」
そんな一言にサッと朔太郎を自ら離して、並んで座らせた。
ポンポンと肩を叩いて首を横に振る。
だって私は一応は先輩でお兄ちゃんだから。
「諦めよう朔太郎」
「どこがお兄ちゃんやねん!!なにが先輩やねん!!今の威勢は何だったんや!」
無事に門前で共にお説教を食らった一夜。