浅葱色の約束。
朔太郎side
「もーらいっ」
「あっ!昨日もあげたのに…!」
「へっ、食うのが遅い梓が悪いんや」
ここは新撰組。
前々から遊んでくれていた近所の子供達にとって、兄のような「そーじ」こと沖田 総司との縁がまさか俺を変えてくれるなんて。
でも一番俺を変えてくれたんは、頼りないくせに勇気ある梓なのかもしれへんと、最近になって思った。
「ズルするんちゃうで梓」
「うん、朔太郎も」
「当たり前や!これは真剣勝負なんや。いくで、───よーいどんっ!」
長い廊下の端から端。
それぞれ一枚の雑巾を滑らせるように競争。
それが梓との日課となっていた。
ドタドタバタバタ。
騒がしい音が響いたとしても、道場から聞こえてくる男達の声に比べれば可愛いもんや。
「あっ、ちょっ、朔太郎いま蹴った!!」
「お前が出だしちょっとズルしたからや!!」
「わっ、痛いよ…っ!」
咲と離れたことも、父親が居なくなったことも。
この場所は少しずつ中和してくれる。
新撰組は俺が思っていたよりも怖い場所やなかったらしい。
「うるせえぞガキ共!!会議中だっつってんだろうが!!」
「うわっ土方さんや!!逃げるで梓っ!」
「あっ朔太郎待って…!」
まぁ色んな意味で怖いんやけど。
「もーらいっ」
「あっ!昨日もあげたのに…!」
「へっ、食うのが遅い梓が悪いんや」
ここは新撰組。
前々から遊んでくれていた近所の子供達にとって、兄のような「そーじ」こと沖田 総司との縁がまさか俺を変えてくれるなんて。
でも一番俺を変えてくれたんは、頼りないくせに勇気ある梓なのかもしれへんと、最近になって思った。
「ズルするんちゃうで梓」
「うん、朔太郎も」
「当たり前や!これは真剣勝負なんや。いくで、───よーいどんっ!」
長い廊下の端から端。
それぞれ一枚の雑巾を滑らせるように競争。
それが梓との日課となっていた。
ドタドタバタバタ。
騒がしい音が響いたとしても、道場から聞こえてくる男達の声に比べれば可愛いもんや。
「あっ、ちょっ、朔太郎いま蹴った!!」
「お前が出だしちょっとズルしたからや!!」
「わっ、痛いよ…っ!」
咲と離れたことも、父親が居なくなったことも。
この場所は少しずつ中和してくれる。
新撰組は俺が思っていたよりも怖い場所やなかったらしい。
「うるせえぞガキ共!!会議中だっつってんだろうが!!」
「うわっ土方さんや!!逃げるで梓っ!」
「あっ朔太郎待って…!」
まぁ色んな意味で怖いんやけど。