浅葱色の約束。




沖田さんの様子がどことなくおかしい。
なにかを隠すような、そんな顔で笑う。

前まではそうじゃなかったのに。



「何…?それは本当か」


「はい。どうやらその長州浪士の会合が行われるらしく」


「成る程な…古高の言ってた事と辻褄が合う。その内容は俺が吐かせるとして。…それはいつだ斎藤」


「明日、だと」



襖の先のピリピリした空気感は外まで聞こえるようだった。



「ったく、また急な話だぜ」



土方さんの声に、これは良くない話なのだと察する。

明日は忙しくなる。

これは1年以上この場所にいて身に付いた、勘というものだった。



「ただ、その場所なのですが池田屋と───」


「待て斎藤」



スパンッ───!


お盆に乗った湯飲みがこぼれそうになった。

睨まれる視線が痛い。

なにをしているんだと、この男は言っているのだ。



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