浅葱色の約束。
どうしてそんなに怒ってるの、どうしてそんなに余裕が無さそうなの。
聞こうとしたけれど、その先を知りたかった。
「それは風邪なんかやない」
「……え…?」
よく聞こえない。
少し開いた襖から冷たいすきま風が吹くと、ブルッと背中は凍えた。
「それは……、労咳……」
ろうがい…?それはなに?
重い病気なの?
質問はたくさん出てくるのに、知識が無いから何を聞いたらいいか分からない。
そんなのお構い無しに朔太郎は部屋を飛び出して草履を履き出す。
「ちょっと朔太郎…!土方さんの命令を破るの…?」
「俺の母さんは労咳で死んだ」
「え…」
「もし沖田さんが同じだったら、…血を吐くはずなんや。
そうなったらどうなるか分からんのか?」