浅葱色の約束。




首飾りが揺れる。
もう時間は戻らない。

楽しかった日々も、ずっと続くと思っていた笑い声も。


戻らないからこそ、今度は守らなきゃいけない。


ずっと子供では居られないのだ。



「あの人達を守れないで何が小姓や…!!何が武士や…っ!」



守る術は何ひとつ無い。

小太刀すら持っていない中でも、彼は雪の中溶けて行ってしまった。


足が……震える。



「沖田さんが……、死ぬ…?」



死ぬとか斬られるとか、慣れない言葉ばかりだよ。

だって私の時代は刀なんて持ってる人は誰1人居ないんだから。


侍だって武士だって。

そんな人、1人もいない。



「さ、朔太郎…っ」


「お前はそこで指咥えて待ってればいいんや腰抜け…っ!!」



ずっとそんなものを知らないまま生きれると思っていた。

近藤さんや土方さん、沖田さんはずっと変わらず笑ってくれるって。

そんな安心感がいつもどこかにあった。


───そんなもの、甘い。



『頑張ろうな。俺たち一番最年少やけど、
…それでも絶対に立派な武士になろうや』



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