浅葱色の約束。
沖田side




「ゴホッ…!!ガハッ…!!」



毒を吐き出すように体から飛び出した真っ赤な血は、暗ったるい畳の上に飛び散った。

返り血でもない、斬られた場所から出たものでもない。

それは僕の体から故意的に吐き出されたものだった。



「はぁっ…、はぁ、」


「おい、こいつ吐血したぞ…!」



思わずその場に踞った僕に、相手の男は状況が把握出来ていない様子。

会合が行われていたのは四国屋ではなく池田屋、そんな場所にたったの10人で斬り込んだ。


2階は近藤さんと僕しかいない。

8畳程の和室が並ぶ旅館、襖の先では局長の吠えるように静かな恫喝が聞こえる。


戦わなきゃ、僕も立たなきゃ。


せっかく取った手柄をここで蔑ろにする訳にはいかない。

平助だって重症だ。

この人数で乗り込もうと言ったのは他でもなく僕なのに。



「大丈夫か総司…!!」


「大丈夫です、…近藤さん、僕のことは気にしないでください…、」



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