浅葱色の約束。
格子の外から照らす月の光。
まるで僕を嘲笑うかのように思えた。
どうしてこんなときに。
今じゃなくて、今日じゃなくて。
隠し通せるものでは無いとわかっていたけど。
それでもあんまりだろう。
「ゴホッ…!!」
いや、本当はわかってたのかもしれない。
これは風邪なんかじゃないって。
とても分かりやすくて、それでいて残酷で。
ほら、運命の歯車はこんなにも簡単に動いてしまった。
「立て……、立てよ……ガハッ…!」
僕は頑張ってきた。
僕は誰よりも強くなる為に努力してきた。
例え虐められたって見下されたって、いつかそいつらを蹴散らしてやれるくらいに。
そこに守るものなど何もなくとも、それでも良かった。
「畜生……っ…、」
これじゃあ役立たずじゃないか。
これじゃあ近藤さんが悲しむだけだろう。
ここまで一緒に来たんだ。
追い付いて来たんだ。
やっと、あの人の隣に立てたんだ。