浅葱色の約束。




僕は、人斬りだ。

一番組の組長だ。


あいつには敵わないと、そう言わせる程の凄腕と言われる剣士だ。

それなのにどうして、どうして僕の終わり方はこんなにも呆気ないのだろう。


どうせなら僕でも敵わないくらい強い誰かに殺されたかった。

土方さんでもいいし、近藤さんならもっといい。

新八さんや斎藤君なら納得できる。



「ゴホッ───!ガハッ…!はぁ、はぁ…っ」



近藤さん、ごめんなさい。
約束を守れそうにない。

頼む、と言われたのに。

どうやら僕はあなたより先に死ぬらしい。



「殺せよ、…僕は、もう無理そうだ。喜びなよ、あんたは沖田 総司の首を……取れるんだ…」


「っ…」


「なぁ嬉しいだろ…?ゴホッ…!ゴホッ…!!…さぁ、早く、」



どうせいつかは死ぬ命なんだ。

病気で死ぬくらいなら、人斬りらしく斬られた方がいい。



もう………楽にしてくれ───…。



近藤さんの役に立ちたいと、強くなりたいと。

そう願っていた僕の中にいる1人の少年は。


泣いていた。



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