浅葱色の約束。
「沖田さん…!!沖田さん!!どこや…!!」
───そんなとき。
遠くなりかけていた意識が戻ってくる。
駆け付けてきた少年は、僕がこの町に来た当初から知り合いだった男の子。
生意気でずる賢くて、子供だと思っていたのに。
いつの間にそんなに大きくなっていたの。
「な、なんだ…?新撰組はガキ共にも命を捨てさせるのか…?」
ガキ“共”…?
「………なん、で……」
僕の前に両手を広げて立つ存在は1人だけでは無かった。
そんなに震えているのにどうして逃げようとしないの。
朔と並んだ背中は14歳にしては細くて、か弱くて。
いつだってサラサラと揺れる髪に目を惹かれた。
「遅いわ、…馬鹿梓」
「…へへ、…ごめん、」
「なんや、こんなときに笑いやがって…」
違うよ、僕が間違ってた。
『なにがあっても仕える人を守れ。自分の命を捨ててまでも。それが小姓の仕事だよ』