浅葱色の約束。




ただ純粋に真っ直ぐに見つめてくれるから、少し意地悪をしてみただけなんだよ。

だってあんな子供に出来るはずがないって思っていたから。

僕に無い目を持ってたからそれがどこか嫌で。


僕もきっと昔は同じ目を持っていたのに、いつの間にかこんなにも淀んでしまって。



「逃げたら許さへんで」


「…わかってる」



どうして僕はこの2人に守られているんだよ。


2人共、刀を前にして。
血の匂いを前にして。

すぐそこまで迫る命の終わりを目にして、そんなにも震えているというのに。


涙を流しているというのに。



「…死んじゃ駄目だよ沖田さん…、貴方は、生きなきゃいけない」


「そーじ、俺が死んだことは…咲には伝えんでほしい」



なぁに、それ。

馬鹿じゃないの。



「…逃げろ、…早く、2人共…!」



逃げろ、早く逃げろよ。


なにしてんだよ。
ここはお前達が来るような場所じゃない。

小姓だなんて名前だけだよ。



「梓…っ…、朔太郎…!!」



そんな何も出来ないくせに守ろうとしなくていいんだよ。

僕なんかを守らなくていいんだよ。


だって、君達はとても綺麗なんだから───…。


こんなにも汚れた僕をどう守ろうっていうの。



「ここは通さへんで!どんなに斬られようが、絶対に土方さんが来るまで耐えてみせる!!なぁ梓!そうやろ!?」


「…うん。“私”は、秘密兵器だから」



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