浅葱色の約束。
彼はまだほんの13歳の少年なのだ。
この町で育って武士とはまた違った裕福な家庭に育って、こんな世界を知らなくていいはずだった子供。
私と出会ったからこんな運命を辿らせてしまった。
「あぁぁぁ…っ!うぁぁぁっ…!」
「……朔、」
怖かったに決まってる。
目の前に突き出された刃は簡単に首なんか落としてしまえるもの。
自分より一回りも大きな存在が、闇が体を包んでしまうみたいだった。
「ごめん、…怖い思いをさせて……ごめんね」
沖田さんは生きている。
ここに、いる。
それだけでいいのに、どうして呼吸が上手に出来ないんだろう。
体の震えが止まらない。
血の匂いも、彼の口の周りに付着したそれも。
今までの幸せが1つ1つ壊れていくみたいに見えてしまう。
夢だったらいいのに。
ぜんぶ、ぜんぶ。
目覚めたとき、そんなこと無かったよねって。
それでも全て夢だったら私はきっとまたやりきれない思いに駆られてしまうから。
これは、現実なんだ。
「───…梓。」