浅葱色の約束。
あの時みたいにみんながすぐ近くにいる光景とは少し違うけれど、私の誕生日は暑い夏の日。
ここで生まれた。
新撰組の───時折 梓。
「ありがとう土方さん」
15歳、一応この時代での成人になったというのに。
こうしてこの人はいつも私を子供扱いしてくれる。
2年前と変わらない。
「総司に会いに行って来い。あいつもお前のこといつも心配してる」
「でも…いいの…?」
「今日は特別な」
あれから沖田さんは自室に籠ることが増えた。
労咳(ろうがい)───。
それは感染する可能性がある為、隔離となっていて。
だけど土方さんにそう言われてすぐに沖田さんの元へと走った。
「…久しぶり」
随分と顔色が悪い。
少しだけ痩せたような気がする。
ちゃんと食事を取っているのかな。
布団から起き上がる彼の隣には愛刀が置いてあり、普段結っている髪は首元まで垂れていた。