浅葱色の約束。




「…私、…嘘ばかりだよ」



いつか話さなきゃいけない、話したい。

それでも言ってしまったら離れて行ってしまうんじゃないかって。


だから孤児だと沖田さんや土方さん、近藤さんの前で言われたとき、本当は怖かった。


それを知った瞬間、みんな態度を変えるところを今まで何度も見てきたから。



「それは僕も、同じ」



言えないことも幻滅されてしまうようなことだって、今までたくさんしてきた。

それでも今、目の前に梓がいて僕がいて───…



「僕は僕が見た梓を信じてる」



そう言った沖田さんは今にも折れてしまいそうで。

生きる理由を見つけなければ、彼は独りぼっちなようで。


───孤独。


それを知っている人だ。

この人は、私。
私は、この人。



「沖田さん…、またお団子食べに行こうね」


「…うん」


「お祭りも…行くんだよ」


「花火、見たいね今度は一緒に」



治る。
この人は死なない。

絶対に、絶対に治ってくれる。



< 216 / 464 >

この作品をシェア

pagetop