浅葱色の約束。




「同じに見えないの…、景色が違って見える…っ、あの赤色が血に見えるんだよ土方さん…、」



ただ黙っている土方さんの後ろ、キラキラ輝く夕焼け空。

それは綺麗だとは思えなかった。


ずっと口を閉ざしていたその人は、そのまま去ることなく。



「───…そうか。」



しゃがむようにして目線を合わせてきた。


きっと胸ぐらを掴んでお説教。

もうそれでいいと思った。
渇を入れて欲しいって。



「…で、他は?」


「…へ…?」


「他は何があんだよ」



私の揺れる瞳をまっすぐ射抜いてくる。

思わず間抜けな声が出てしまった。


他に嫌なこと言ってみろ、思ってること吐き出せ、全部聞いてやる───。


そう言われているみたいで。



「さ、朔太郎はどんどん大きくなっちゃって…嫌だ」


「他は」


「いっぱいあるよ…」


「言え」



最近みんな忙しそうにしているし、藤堂さんだって前みたいに話しかけてくれない。

そもそも屯所に居ないことの方が増えてる。



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