浅葱色の約束。




「みんな嫌い…っ」



前みたいにワイワイご飯を食べることもあまりないし。

近藤さんだって。

私は小姓なのにいつも留守番留守番って、全然小姓として扱ってなんかくれない。


「すまないな」って謝れられる回数が増えて。



「それに土方さんだってそうだよ…!」


「おう」



いつも夜遅くに寝てるの知ってる。

ため息が増えたのも知ってる。
隊士が増えて、誰よりも大変なの知ってる。

それでもいつも私の前では「土方さん」で居ようとしてくれてるのだって知ってる。


私はまだ子供だけど、それでも2年も一緒に暮らしてきた。



「す、少しくらい、…頼ってくれたっていいのに…!」



だって私達は家族だ。


みんな私の前では笑顔で「大丈夫」って言って、なにかを隠す顔をする。

わかるんだよ、そんなの。
そんなので騙されるわけない。



「愚痴とかあるなら私に言えばいいのに…!結局は今だって私が聞いてもらってる…、違う……こうじゃないのに…っ」



もう子供扱いされるのも嫌。
それでもまだ子供でいたいとも思ってる。

ガキだなぁって言ってほしい、構ってほしい、昔みたいに頭を撫でて欲しい。


そんな、我が儘だ。



「みんなどんどん知らない人になってくみたいで嫌だ…、私、男が良かった…っ!!」



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