浅葱色の約束。




それがずっと僕の欲しかった言葉なんだろう。


町へ出れば怯えられ天才剣士等と呼ばれ、距離を置かれる。

近藤さん伝いでしか知り合いも出来ないような僕。


新撰組以外で同年代の友達なんか居なかった。

だから純粋な心を持った子供達と遊ぶ方が楽しくて、だって僕を人斬りと見ないから。



「可愛くはねえだろ。ただの生意気なクソガキだ」


「そんなことは無いさ!…まぁ確かに悪戯ではあったな」


「悪戯なんて可愛いモンじゃねえよ。毎回俺の背中にミミズやら蛙やら入れやがって。───なぁ宗次郎」



だって土方さんの反応はいつも面白いから。

近藤さんを取られて悔しかったっていうのもあるけど。

土方さんは僕を追いかけ回して怒鳴って、それを見た周りの人達から「あそこの兄弟は喧しいなぁ」なんて笑われる。


そんな日々が、僕は楽しくて嬉しくて仕方なかった。



「あははっ、忘れちゃったなぁ」


「ふざけんな思い出せ。無理矢理にでも思い出させたっていいんだぜ」


「こらこら2人共!夜なんだ静かにしないか!それにトシは明日早いだろう!」


「じゃあせっかくなんですし久しぶりに手合わせしましょうよ土方さん!近藤さんは審判をお願いします」



僕はもう1度、彼等に我が儘を言った。



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