浅葱色の約束。




ああ、そうか…これは現代の世界。

マスコミにインタビューされているのは、私が育った施設の園長先生で。



『とても物静かな子でした。…心に深い傷があるからこそ、誰かを助けてあげたかったのかもしれません…』



手に持っている遺影に映るのは私。

本当にあのままトラックに轢かれて私は死んだのだ。


ヒーロー、なんて。
そんな大それた人じゃないのに。



『お空の上のお姉ちゃんにありがとうって言いたいです』



友達にお手紙はちゃんと届けられた?
お母さんにハンバーグは作ってもらえた?

忘れていたけど私は間違いなくこの世界にいた。


“いた”、それは既に過去形。


つまり帰る場所は無くなったということ。
私はこの現代では居なくなったということ。

死んだも同然。


だからこそ全てが他人事のように見えてしまうのだろうか。



私は、生きてるの───…?


それとも、


死んでいるの───…?



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