浅葱色の約束。




西本願寺ではなく奉行所で何とか凌ぐ生活。

高台から次々に撃たれる大砲に、危険は目の前だった。

そんな銃を相手に刀で向かっていく新撰組。


───これが後の鳥羽伏見の戦い。



「怪我人だ!梓!朔太郎!!」


「「はい!!」」



次から次に運ばれる怪我人を手当てするのが、私達に出来ること。

それしかなかった。


それでも銃の弾を食らった隊士に出来ることなど分かりきっている。

銃弾を抜ける程の腕を持っているのは山崎 丞しかいない。


私と朔太郎に出来るのは止血だけ。



「こっちを手当てしてくれよ!!そいつはもう無理だ!!」


「でもまだ息してるから…!」


「息してるだけじゃ戦力にならねえだろ!!」



こうして毎日怒号が飛び交う。

新撰組だけでは無く、そこにいるのは旧幕府軍の兵士たちもいた。

何十人もの怪我人が1日に運ばれてくる。



< 257 / 464 >

この作品をシェア

pagetop