浅葱色の約束。
それでも戦の終わる気配は無かった。
来る日も来る日も刀や槍で向かう旧幕府軍に対し、薩長含む新政府軍は銃や大砲を撃てる限り使う。
怪我人は増える一方。
それでも土方さんは撤退などしなかった。
彼が命令を下せば一時的だとしても皆救われるのに。
───そんな苦い戦いが続く夜のこと。
「撃たれたんだ!!近藤さんを影で狙ってた曲者がいやがった!」
右肩を銃で撃たれた局長が抱えられながら帰宅すると、すぐに山崎さんは銃弾を抜いた。
一命はとりとめたものの、当分彼は戦には復帰出来そうにない。
「頼むよ土方さん…!もう限界だ…!!局長を狙ってきたんだ…これは相手側の挑発に決まってる…!」
苦しむ近藤さんの手を握っても返事はなかった。
「近藤さん…、近藤さん、」
少し表情を歪ませながら瞳は閉じたまま。
こんなにも静かな局長を見たのは初めてだ。
いつだってみんなが落ち込んでいたならば自分から声をかけるような人が。