浅葱色の約束。
沖田さんはそんな私に手を伸ばす。
私の髪をすくうように撫でて、そのまま背中へ回そうとするけど───
「…背、また少し伸びたね」
そう言って、腕を真下におろす。
前も1度似たようなことがあった。
私に触れようとするのにギリギリで止めてしまう。
「沖田さんの中で私ってまだ13歳のままなんだね」
「…その言葉って僕が前に言ってた気がするなぁ」
「ふふ、そうかな」
肩がコツンとくっついても、どちらも避けようとはしない。
お互いが寄りかかるように縁側に座って思い出話に花を咲かせて。
「梓ってずっと子供のまま居るんじゃないかなって思ってたけど…大きくなっちゃって複雑」
「沖田さんは全然変わらないね」
「それって逆に僕が子供のままってこと?ねぇ梓ー?」
「ち、違うよ…!えっと、あのね、」
「ふふっ、冗談。…変わりたくないよ僕だって」
沖田さんと私はこういう関係。
これでいいの。
きっと、これがいい。
お互いこうして支え合って分かち合う。
それでも「寂しい」なんて言えずに、それぞれの場所へと背中を向ける。