浅葱色の約束。
「すまないトシ…必ず追い付く。それまで皆を頼む」
「あぁ」
「梓もあまり無理はするんじゃないぞ」
「うん。…近藤さんも」
翌朝目を覚ました近藤さんは、痛みに耐えながらも京に残る仲間達に挨拶をして回った。
大怪我をした隊士は大坂城で匿ってくれることになり、かなりの人数が京を離れる。
それはこちら側としてはかなりの痛手だった。
「土方さん、梓を頼みました」
「あぁ、しっかり治して来いよ総司」
「朔も。この子にばっかり仕事を押し付けないようにね」
「わかってるって!」
朔太郎は笑顔を向けているけど、どこか寂しそう。
そんな朔太郎は「あ。」と何かに気付き、沖田さんを手招きして場所を離れた。
きっと2人だけの約束や誓いを交わしているのかな…。
しばらくして戻って来ると、私の目の前で立ち止まった沖田さん。
じっと見つめ、そして頭を撫でる。
「…やっぱり土方さんには譲りたくないなぁ」
「え…?」
「んーん。なんでもない。…元気でね」