浅葱色の約束。




「ここに居なさい。俺が必ず話をつけるから何も心配することは無い」



案内された部屋は殺風景な和室。


周りは寝静まっている為、足音を立てないように何とか案内された。

灯りも何もない部屋。
もちろん電気など通っていない。


行灯の明かりはどう灯せばいいのか右往左往していると、近藤さんは慣れた手付きで明かりを灯してくれた。



「…色々教えねばならんな」



暗闇で良く見えなかった近藤 勇の顔は、とても優しい顔立ちをしていた。

大きな口は笑うと白い歯が見え、少し厳つい骨格も人柄を表してくれる。



「本当は湯槽に浸からせてやりたいんだが、もうお湯を抜いてしまったんだ。すまないが明日まで我慢出来るか?」


「…うん」



押し入れから出した布団を少し大雑把に敷く近藤さん。

少し重さのある硬い枕。
差し出された着物はちょっぴり大きい。



「明日君に合うものを用意しよう。それまでの辛抱だが…本当にすまない」



近藤さんは申し訳無さそうに頭をかく。



「まさか君が女の子だったなんて」



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