浅葱色の約束。




「おい、お前救護班だろ…?助けてくれよ、足が痛くて仕方ねえんだ」



躊躇ったのが駄目だったのか。

もう離さないと言うように、私の足に絡み付く腕。

このまま道連れにされてしまう勢いだった。


追っ手は容赦なくどんどん近付いてくる。



「俺はよぉ、こんなとこで死ぬわけにはいかねえんだよ……頼むよ、」



いま持っている包帯や消毒をこの人に使ったとして。

本当にそれは有効的なのだろうか。



「は、離してください…、」


「ふざけるな…!俺を見捨てるつもりか…!?救護班なら人命を助けるのが役目じゃないのかっ!!」


「っ…、」



遠くから朔太郎の呼ぶ声が聞こえる。

それでもこっちに来られてしまっては失う命が増えるだけだ。


来ちゃ駄目。
そのまま走って朔太郎。



「梓ーーー…!!土方さんっ!梓がまだ居るんや…っ!!」



駄目だよ朔太郎、ここに来たら朔太郎まで…。

そう思うのに。


来て欲しい、とも思ってる。



< 271 / 464 >

この作品をシェア

pagetop