浅葱色の約束。
「早く俺を助けろよ…!!なにしてんだ敵が来てるじゃねえか…!!」
新政府軍はどんどん近付いてくる。
たくさんの旗が見えてきた。
火薬の匂い、何人もの兵士達が近付く音。
「…ぁ……ぁ、」
わたし…死ぬの…?
ここで、もう死ぬの───…?
みんなに追い付けないまま。
土方さんの背中は、もう見えない。
「いやだ………死にたく……ない…」
銃が見えてきた。
生きていても死んでいても誰彼構わず撃つような奴等だ。
守らなきゃいけないのに。
自分の命は、自分で。
それを了承の上で土方さんを追いかけてきたはずなのに。
死にたくない、なんて。
そう思ってしまった。
その言葉は一番自分から遠い言葉だと思っていたのに。
「たすけて、───…ひじかたさん…」
それなのに、確かに私は今、そう言った。
震える声はその名前を呼んでしまう。
「土方さん…っ、たすけて…死にたくない……」
土方さん。
土方さん、助けて、土方さん。
まだ…土方さんと一緒にいたい…。
ガシッ───!!!
「こんっの馬鹿…ッ!」
ぐいっと力強く引かれた。
私の足にまとわりついた男ごと立ち上がれば、自然と右足の腕は離れた。
すぐに土方さんは私を抱きかかえ、走る。