浅葱色の約束。




この人は正直な人だ。

それでいて相手の気持ちが誰よりも分かる人だと思った。

そもそもこのジャージ姿だって気になるはずなのに、それを1度も聞こうともしなかった。


もう全てを分かっているようで。

そんな小さなことは気にしない、というように。



「近藤 勇、一生の不覚。どうかこの通り許してくれ!」



大袈裟なくらいに頭を下げられる。



「確かに可愛らしい顔立ちをしているじゃないか!軽かったのも幼いのも確かに女の子と言われれば納得出来ることだ…」



頭を下げさせてしまってごめんなさい、迷惑をかけてしまってごめんなさい。

そう謝りたいのは私の方なのに。


でも、まだ言ってない言葉があった。



「…こ、近藤…さん、」



初めて呼んだその名前は、消えてしまいそうなくらいに小さかった。


それでも近藤さんはガバッと顔を上げて嬉しそうな顔をするから。

キラキラと目を輝かせてその先の言葉を待ってくれている。



「……ありが……とう…」



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