浅葱色の約束。
「あれ?───朔は?」
「朔太郎は井上さんと会津藩の護衛をしてから合流するって」
「そう…」
どこか不安気な梓。
チラチラきょろきょろと、朔太郎が戻ってくるのを待っている。
本当に土方さんはこの子を守ってくれてはいないのだろうか。
怪我もしてるし…。
『あいつ、前に俺の父さんにボコボコにされたことがあったやろ?』
急に何の話かと思えば、朔はかつて梓が隠そうとしていたことを全て話してくれた。
僕が巡察から戻ると複数の打撲と右目の負傷、そして右腕の骨折をした少女がいて。
誰にやられたんだと聞くよりも、そんな人は最初から分かっていたから。
『あのとき…あいつ、…新撰組のことを馬鹿にされたから父さんに楯突いたんや』