浅葱色の約束。




「会津藩が…、新政府軍に襲撃されました…」



途端にざわめく隊士達。


襲撃された?そこには井上さんと朔が居るはずだ。

少し遠くから生き残った者と思われる男達がズラズラ歩いてくるけれど、その中に探している2人の姿は見つからない。



「……はっ…、は、」



呼吸が乱れ始める梓。

そんな彼女に決定打を打つように、1人の男は目の前にあるものを差し出した。


血が付着した───彼女と同じ首飾り。



「……時折 梓という小姓に渡してくれって。
彼は───…とても立派な最期でした」



なにを、言ってるのか。

僕も理解をするまで数秒かかった。
いや、理解なんか出来そうにない。


それでも受け取ろうとした少女の震える腕は、首飾りを掴むと簡単にスルッと地面に落としてしまう。



「……なに、…言って……」



まずい、過呼吸を起こしてる。


顔色も良くない。
血が逆流してる。

全身に冷や汗と震え、瞬きすることも忘れているみたいだ。



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