浅葱色の約束。
朔太郎side




「行っちゃ駄目だよ朔太郎」



全く、なんちゅー顔してんねん。

お前あれやぞ。

囚われた宇宙人というか、今まで一睡もしてません人間みたいな顔してんぞ?



「嫌な予感がするの…」



そんな顔したら女の子だってバレちゃうやんか…。


俺がいつ梓を女だと知ったっていうと。

そりゃ俺、こう見えても今まで妹持ちだったし。

そりゃわかるわ。
女は独特な匂いがする。


花みたいに甘くて、あと梓は声変わりもせーへんし、おかしいやろ。

風呂だっていつもみんなと違う時間帯にこっそり入ってるし。


あんなに近くに毎日居れば自然と気付く。



「俺も刀を使う日は来るんやろか…」


「ん?どうしたんだい急に」


「…土方さんはああ見えて優しいから、もしかしたら俺に人を斬らせへんちゃうかなって…」


「…ああ、トシさんは確かにそういう所はあるけどね。
それでも本当に武士になりたいなら応援するような男だよ」



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