浅葱色の約束。
列の最後尾。
井上さんと並んだ俺は、とりあえず城まで会津公様をお見送り…ってわけやけど。
どうにも細い山道ばかり通るなぁ。
まぁ敵に見つからないようにする為には当たり前のことか。
「ふは…っ」
「今度はどうしたんだい?」
「ああ、いや。なんでも!」
今が戦中だってことを忘れるくらい、あいつの阿保面は思い出すだけで笑えてくる。
最近いつもそうだ。
辛くても嫌なことがあっても梓の顔見たらそんなんどーでもよくなる。
───パァンッ!!
「新政府軍だ……!!」
やっぱりお出ましか。
刀は抜いたことはないが、こうなったらやるしかない。
その為に俺だって今まで沖田さんの稽古に参加してたんやから。
「朔太郎君っ、行けるかい!?」
「おう!!」
銃が相手だとしても真っ直ぐに向かっていく井上さんは、何人もの兵士を斬っていく。