浅葱色の約束。
そんな姿に圧倒されながらも俺だって負けちゃいられへん。
早く役目を終えて大坂城へ行くんや。
多分あいつ、今もきっと泣きそうな顔してるから「ばーか」って言って追い付かなきゃ。
あいつはほんまに俺がおらんと駄目やから。
「うらぁぁぁっ!!」
───ザッ…!!
刀の重さに思わず怯んでしまいそうだった。
それでも何とか会津公に近付けないよう護衛出来ているはずだ。
咲、兄ちゃんな、いま武士として戦ってるよ。
あれ以来お前には会いに行ってやれてないけど、それでもこうして立派な武士になってお金をたくさん貯めて。
そしたらまたお前と一緒に暮らす為に。
「朔太郎君……!!」
「……え…」
パァン───!!
森の茂みから隠れて狙っていた銃弾が、俺を庇う井上さんを貫く。
「井上さん…!!」
「私のことはいいから会津公を…!!」