浅葱色の約束。




なんやねんそれ。

最期に見せる優しさってやつなん?

そんなん出来るなら、俺やなくてあいつの涙を返せって話やわ。


あいつ、今まで何度も何度も死んでいく仲間を目にして泣いてんねん。


あぁ───…でも。


もし最期に1つだけ言いたかったことがあるんなら。



『訂正…してくれませんか、』


『あなたは父親だ…っ…娘に何をしているんですか…、』



あいつ、ほんまはスゲー臆病なのに。

いっつも誰かの為にあそこまで本気になれて。



『朔太郎…!場所は…池田屋!!』


『へへ、…ごめん』



腰抜けでビビりなくせに、それでもいつも逃げない奴で。



『…い、いひゃい』


『朔太郎も私もこうして話してる。前と変わらないね』



笑うと、すっげー可愛くてさ。



『朔太郎───!』



この気持ち、いつか言えたらええなぁって思ってたんやけど。

でも、もう言えそうにないからお前みたいな奴にぶつけとくわ。



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