浅葱色の約束。
「俺、…お前が……好きやった」
俺より年上やけど、でも全然そんな感じせんくて。
妹みたいなのにそうじゃなくて。
たまにほんまに兄貴みたいな顔しよるし、姉貴みたいな顔しよるし。
意味わからんやん。
「こんなことに、なるなら…伝えたかったわ……伝えりゃ…良かった……、あーあ……」
俺の家はああいう家だったから小さい時から許嫁は決まってて、こーいうのするなって言われてたんやけど。
だから他の女も女って目線で見れなくて、そしたらお前現れて、男やったし、でも女やったし…。
お前だったらどっちでもええか、なんて思っちまうくらいでさ。
…好きやったよ、梓。
俺の、───…初恋だったんだ。
「…こんな世じゃなければお前のような若者を殺すことはしなかった。…すまない」
「…なに、謝ってんねん…アホ…」
後悔すんなや。
あんただって守りたいもんの為に銃を持ってんやろ。
その気持ちがあんたの方が上だったのかもしれんし、俺はどこかまだ覚悟とやらが足りなかったのかもしれない。
どっち道、俺はもう時間の問題だ。
「───…もう、ええよ。…あとは、あいつに全部託す……楽に、してくれ…」