浅葱色の約束。




この首飾り、これにお前との思い出は全部詰まってるから。

だからこれだけはどうか届いてくれ。


そーじにも、土方さんにも。


咲…兄ちゃんはずっとお前の兄ちゃんやから、見守ってるから。

だから、必ずいい男見つけて家族作って───…楽しく暮らしてな。



「朔太郎君…!!!駄目だ、やめろ……、やめてくれぇぇぇーーー…!!」



俺、お前のこと恨んでなんかない。
家族をバラバラにされたとも思ってない。

だって血が繋がってなくても家族なんやろ…?


だったら俺とお前もそうやったってことやん。




「…あずさ、……だいすき、やで…」




ダァン───…!!!


だから梓、泣いてもいいけどそのあとは必ず笑ってくれ。

俺、お前の笑った顔大好きなんや。


───梓。


お前は、お前だけは。




必ず幸せにならんと許さへんで───…。




『行こう朔太郎!』


『あー!待てや梓っ!』



その少年の想いは、どんなに残酷な世にあったとしても。

彼にとってはいつだって、キラキラと輝く木漏れ日のようだった。



『俺腹減ったわー!』


『じゃあ向こうで一緒に食べよう。あ、僕のおかず取っちゃ駄目だよ…!』


『嫌や、お前がノロノロしてるから悪いんやで!』



たった1つの光だったのだ───…。



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