浅葱色の約束。
「───…行けない…っ」
あの人は確かに強くて前しか見てない、大丈夫な人。
私のことなんて見ないで真っ直ぐ走っていく人。
それでも私は武士になるって朔太郎と約束して、土方さんについて行くと決めた。
「行けない、…ごめんね…沖田さん…っ、
…ごめんなさい…」
どうして大切なものは1つしか持てないのだろう。
手は2つあるのに、1つ大事なものをすくうだけで定員オーバー。
私は彼等とこの場所でこの戦を生きるって決めた。
もう、逃げたくない。
私だって戦いたい。
私だって彼等と同じものをみたい。
「───…うん。知ってた」
優しく微笑んだ沖田さんは私の肩を離した。
本当はずっと一緒にいたい、変わってなんかほしくない。
みんな自分の周りに居てほしいなんて。
そんなの都合が良すぎるから…。
「…あの2人を頼んだよ梓」
僕は大丈夫、僕は寂しくなんかないから。
「泣かないで、梓」
知ってる?
沖田さんね、嘘吐くとき。
そうやって笑いながら私の名前を何度も何度も呼ぶんだよ───。