浅葱色の約束。
彼は江戸へと戻っていった。
新撰組は終わって甲陽鎮部隊と名を変えて。
近藤さんも土方さんも局長でも副長でも無くなって、新たな隊を率いて新たな場所へ向かった。
そこで命を狙われているのは近藤さんと土方さんで。
名が大きくなりすぎたのだ。
有名になりすぎてしまって、常に名前を伏せて生きる日々。
「ちょいとあんた、この者たちを見なかったか?」
「…さぁ。見たことないです」
「じゃあ似たような者は見なかったか」
「すみません今急いるので」
「そうか。足止めしてしまってすまない」
だからこそ彼等と行動を共にすることはだんだん難しくなっていった。
似顔絵の書かれた紙切れを見せられては、知らないふりをする毎日。
もしここで私が首を縦に振ったならば、まず奴等は私を人質に取るだろう。
「土方さんすぐそこに新政府軍がいる…!」
どこへ逃げたとて同じことだった。
新政府軍は旧幕府軍を全滅させようとしている。