浅葱色の約束。




涙が拭っても拭っても溢れて止まらない。

どうしてこんなときに…もっとこの人を目に焼き付けたいのに。


ねぇ近藤さん、手を握ってよ。

子供が、あなたの娘が泣いているんだよ。
離れたくないって、言ってるんだよ。



「親なら…子供を離しちゃ駄目だよ…」



その腕にしがみつく。



「ずっと一緒に居なきゃ、駄目なんだよ…!」



だって家族だから。



「家族は…離れたら駄目なんだよ…っ!」



この人がお父さんだったらいいなぁって今まで何度も思ってた。

こんなに真っ直ぐな人、きっとどこを探しても中々いない。



「家族…。まさか梓の口からその言葉が聞けるなんてな」



本当はね、もう少しして落ち着いたら私の全部を話したかったの。


未来から来たんだよって。

小さい頃どういう生活してたかって、全部隠さないで。

だってきっとこの人はちゃんと聞いてくれるから。


絶対に信じてくれるから。



「トシ。…梓のことを頼む」


「…あんたも助けると、俺は言えねえのか」


「これは局長命令だ。副長土方、直ちに梓を連れてここから逃げろ。…そして、生き延びてくれ」



最期の命令に、彼は頷いた。


土方さん、待ってよ。
どうして肯定してしまうの?

駄目だよそんなの。



「お前は俺の最高の親友だ。
トシに出会えたことは俺の人生で一番に幸福なことだった」



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