浅葱色の約束。
襖の先から期待の眼差しが向けられると、男は私の腕をぐいっと強めに引いて全員の前へ差し出した。
しーんと、一瞬静まり返る部屋。
「…え、なにこいつ土方さん、」
1人は目を見開いていて、1人は面白可笑しそうに笑っていて。
1人は口をパクパクとさせていて、1人は優しく微笑んでいて。
様々な反応を見せてくれる。
すると優しく微笑んでくれている人が私を見つめて柔らかく呟いた。
「ふふっ、…なるほど。こりゃまた可愛い男の子ですね近藤さん」
「あぁ、俺も最初は女子かと思ったくらいでな」
「それに僕のおさがりじゃないですか、その袴」
進む会話、ついていけない私。
ぎゅっと袴を握って立ち竦んでいれば、今度はドッと笑いが一瞬にして部屋を包む。
「ぎゃははははっ!どこが凄腕の剣士なんだよ!」
「ただのガキじゃねーか!なんだよ期待して損したぜ」
近付いた1人は小馬鹿にするように頭をポンポンと叩いてくる。
しかし、その腰には2つの刀。
それはきっと本物なんだろう。