浅葱色の約束。
すると彼は顔を伏せながら、筆を置いて立ち上がった。
正座をして見上げる私の前にくると。
「───…っ…」
それは私がいつからか安心するものと理解していた行動。
ふわっ、なんて優しいものじゃない。
ぎゅっ、なんて可愛いものじゃない。
「…ひじかた…さん、」
愛情を渡してくれるみたいに。
お前はここに居ていいんだって、そう言うみたいに。
彼は私をしっかりと抱き締めてくれている。
「…いつからそんな生意気になったんだてめえは」
「…新撰組は……そういう場所だよ」
どんなに馬鹿にされようと、醜いと言われようと。
信じた道を真っ直ぐに進む。
「はっ、…言ってくれる」
腕の力が加わった。
少し苦しい中でも潰れちゃわないように呼吸だけはさせてくれていて。
「───放っておけるかよ…」
まだ、なにか罪悪感が彼の中にあるとしたら。
それをどうしたら取り除いてあげることが出来るのだろう。
「離して土方さん…苦しいよ…」
「…離したら、てめえは居なくなるだろうが」
この人は私が居なくなることを恐れている…?
近藤さんを助けられないからとか、全て無駄だからとか。
私なんかに出来るわけないとか。
そんなことを言っているんじゃなくて。