浅葱色の約束。




「───…ありがとう土方さん」



近藤さん、会わせてやれなくてすまない。

それでも俺にはこいつが必要だった。
あのまま手放すわけにはいかなかった。

あんたにも頼まれた命だ。


易々と誰かに譲って堪るかよ。



「番地、一応はここに書いてあるから迷ったら誰かに訪ねろ」


「わ、今度はちゃんと書いてある…」


「…あん時も俺なりの地図なんだっつうの」


「ふふっ」



総司、あの人を守れなくて悪かった。


お前は多分、今でも近藤さんは生きてると思ってんだろう。

出来ればそのままでいい。

お前に、これ以上何かを失う思いだけはさせたくねえんだ。



「…総司によろしく頼むぞ」


「うん。必ず戻るから…!土方さん寂しくても泣かないでね…!」



駆けて行く背中はあまりにも昔とは違いすぎて。

近藤さんや総司、この場所をずっと見つめ追いかけて育った少女の背中は。



「はっ、…言うようになったじゃねえか」



誰よりも何よりも誉れ高きものだった。



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