浅葱色の約束。
哀しい約束
交通手段は船を使ったとしても殆どが徒歩、そして馬車のみ。
この時代はそれが普通。
途中途中で休みつつも、その場所に行けるなら何だって出来るような気がした。
そして、時間も残りわずか。
京から江戸まで使える足を上手く使って数日で到着した。
「ここが、東京……」
京の町よりもゴミゴミとしている。
それでも京に比べて小道は少なく、だだっ広い道がたくさんあった。
商店街も同じように繁盛していて。
ここが土方さんや近藤さん、沖田さんが生まれ育った町なんだ。
そして150年以上の時を越えて私が生まれた町。
「あの…すみません、」
「はぁい」
試衛館道場───。
そう書かれた表札の屋敷の前で声をかけると、1人の女性はパタパタと足音を跳ねさせながら近付いてきた。
ここに来たら必ず行っておきたいと思っていた場所。
彼等が通った道を私も見てみたかった。