浅葱色の約束。




「いつ来たの…?」


「土方さん達はどうしてる…?」


「あれからどうなったの、」



今日は質問ばかりだ。

せっかく会いに来たんだから沖田さんの得意な冗談の1つや2つ言ってくれればいいのに。


らしくないよ、本当に。



「近藤さんは…?」


「……元気だよ。みんな、沖田さんが戻ってくるの待ってる」



言えなかった。


この人に全てを話す強さは私には無かった。

ごめんなさい近藤さん。
この人には笑っていてほしいの。



「…どうして、ここに来たの、」



会いたくなかった───…。


彼は震える声でそう言った。



「私は会いたかった」



もう逃げない。
この人の冗談には流されない。

病気から、全てのものから逃げない。


そんな強さを私にくれたのはあなた達だ。



「…覚えてる?沖田さん」


「なに、を…」


「お祭りのとき」



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