浅葱色の約束。




そう、似ている。

冗談ばかり言っていたけど本当は優しいあの人に。

とてもよく似ているのだ。



「僕は思うんだよ時折君。恋に男も女も関係ないってね」


「え、あるんじゃないかと…」


「だってそしたら君の気持ちはどうなってしまうのかな」


「か、からかわないでください…!」



駄目だなぁ私。

新しい出会いを大切にしようって決めたのに、過去ばかり見てしまってる。

決してそれは悪いことじゃない。
それはわかっているけど。


でもそれはきっと近藤さんも沖田さんも喜ぶことでは無いとも思うのだ。

女だとバレていないことが唯一の救いだけど…。


───っ…!?!?



「あれ?顔が真っ赤だよ?」



この人、今、なんて…?

恋…?恋って言った…?


こ……い………?


……鯉?
それならよく屯所の中庭の池で見た。

いや違う、それじゃない。


恋って……なぁに───…?



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