浅葱色の約束。




「土方君はどうやら男にも人気があるらしい。でも僕は応援するよ」



ポンポンと私の頭を叩いて大鳥さんは笑う。


違うのに。
そんなんじゃ…ない。

土方さんは、土方さんはなんていうか…家族。そう、家族で。


ちょっと顔が綺麗なだけで。

ずっと支えたいとか、いつか江戸に一緒に行きたいとか。

ずっと一緒にこうして傍に居られたらいいなぁって、そう思うだけで。


ただ、それだけで。



「あははっ、分かりやすいねぇ時折君。大丈夫、僕は口は固いんだ」


「ちっ、違います!!僕はそういうのは全然わからなくて、その、あの…」


「ごめんごめん。まぁでも、土方君だって君以上は居ないだろうから安心するといい」


「…本当にそういうのじゃ、ないんです」



第一、私はあの人の息子になったことだってある。

土方さんはそうとしか見ていないのだ。


それが少し悲しいけどそれが普通。
そうじゃなきゃ駄目。



「大鳥さん。あまりそいつをからかわないでやってくれ」



どうしてこんなときに限って現れるの。

土方さんは大鳥さんの腕を掴んで下ろさせると、私の腕を少し引いた。



「なにを話してたんだ」


「君の話をしていたんだよ土方君」


「…余計なこと言ってねえだろうな」



そんな土方さんの睨みですらも「さぁ?」と言ってかわしてしまう。


この人はやっぱり沖田さんに似ている。



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