浅葱色の約束。
「歳三さん」
それとさっきからそれは何。
歳三さんって。
馴れ馴れしく肩に手を置いてるし、大事な書類だったらどうするの。
もしそれでお茶でもこぼしちゃったら切腹どころでは済まされない。
「歳三さんの髪の毛って女の人みたいに綺麗ね。枝毛すら無いじゃない」
そのまま髪に触れるんじゃないか。
我が身が可愛いなら下手なことしない方がいいと思うのに…。
そんな言いたくても言えないもどかしさを、どうにか仕事にぶつけることにした。
───ダンッ!!
思わず力を入れすぎてしまい、書類棚に音が響いた。
そんな2人の視線が私に移る。
「……し、失礼しました」
ぷくっと頬を膨らませた私を見つめ、土方さんが鼻で笑ったような気がしてまた腹が立った。
笑わないで、と口パクで伝える。
「うるせえ」と同じように返ってきた。
「…私、誰かの妻になるならあなたのような人がいいわ」
咄嗟に私の手は止まった。
…妻……?
ちょっと待って、展開が早すぎやしないか。
それとも私が知らなかっただけ…?
そんなに親密な関係だったの…?
妻って…土方さん結婚するの…?
その人と……??
「ねぇ聞いてるの?歳三さん」
土方さんは筆を止めた。
そしてじっと遠くから見つめる私の瞳を一瞬だけ見つける。
「に、…似合いませんよ」
気づけば私の声が静かに響いてしまい。
2人の視線はスッと注目。