浅葱色の約束。




そもそも大鳥さんとあのとき何の話してたんだよ。

俺の話だと言っていたし、お前も秘密だ何だと隠しやがる。



「…言わせるのか俺に」


「だって言ってくれないと分からないから…」



お前は近藤さんから託された命だ。
それに総司だって朔太郎だって。

だからこそ大切にしなきゃ駄目だ。



「人は選べ。あいつはまだお前を守れる器は持ってねえだろ。…大鳥さんは論外だ」



変な野郎に引っ掛かったら、それこそ俺はそいつを斬ることになる。

お前は気付けばうろちょろとしやがるから、乱暴にでも引き摺るような男のが似合ってんだよ。


…なんて、なにを考えてんだ俺は。



「あいつって鉄之助のこと…?あとどうして大鳥さん…?」


「惚れてんだろ」



その瞬間、カァっと余計に赤くなるその顔。

───…図星か。

分かりやす過ぎるだろ。


それでも俺が見つめれば見つめる程に梓は「う、あ…」と、言葉にならない声を出す。



「ひ、土方さんは…居るんだよね…、好きな人…」



数日前───。


こいつの目の前であんなことを言った俺の言葉を、この女がどう受け取っているのかは不明。

それでも確実に伝わってはいない。



< 374 / 464 >

この作品をシェア

pagetop