浅葱色の約束。




ここじゃないんだと、何故かそう思って。
ここは違う。

私の居場所はここじゃない。



『───さんが待ってる』



地味な袴を着て髪の短い私は、私にそう微笑む。



『お願い目を覚まして。あの人はすごく強いけど…それと同じくらいに弱い人なの』



あの人って誰…?

どうして私はそんな格好をしているの…?



『ふざけんな、んなとこで死のうとしてんじゃねえよ…ッ』



泣いてる。

誰かが、私の名前を呼んで泣いている。


───行かなきゃ。


私、ここじゃない。
私に愛情をくれたのはここじゃない。

全て教えてくれたのは。

出会いも、別れも、寂しさも哀しさも、孤独も。


……ここじゃない。


私は───…愛されてた…?

誰に……?



あなたは、誰に愛されたかったの…?



そして今、あなたが求めている愛情ってなに?




─────…



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