浅葱色の約束。
「……不味い」
「え!茶葉の量も温度もちゃんと計ったんですが…」
「絶望的じゃねえか」
「……すみません、煎れ直してきます」
「いやいい。…ありがとよ」
鉄之助はパァッと笑顔を向ける。
それでも広がる静かな空気に、すぐに顔を戻してベッドに横たわる梓を見つめた。
「…俺、たまに思うときがあって」
瞳を伏せ、俺へと視線を移す。
「時折さんは、なんていうか…俺とは違う世界に生きてるっていうか」
今日もまた、1日がこうして終わる。
梓が鉄之助を見る眼差しは、かつて新撰組にいた最年少の青年を見つめるものに似ていた。
その首飾りは今もしっかりと身に付けている。
総司に会いに行ったとき、俺はてっきりあいつの首飾りを持って帰って来ると思っていた。
『またいつか2人に会いに行ったとき、沖田さんと朔太郎がバラバラだと寂しいなって思って』
そう言って、そのまま総司に託してきた。