浅葱色の約束。
第一章
温もり
誰かと話すのも笑い合うのも、私には生まれた時から備わっていないものだ。
産まれた瞬間、赤子は口を大きく開けて泣くけれど、その後必ず笑うと何かの本で呼んだことがあった。
きっとそれは嘘。
赤ちゃんが笑うのは、安心する場所を見つけたから。
お腹の中から出てきた先に暖かい温もりがあったから。
お母さんがいたから。
「この学校の殴られ屋って噂なのってお前だろ?」
「うわ本当に何も言わねーじゃんこいつ!気持ち悪ぃ!」
痛さも、辛さも。
どこかに置いてきてしまったみたいに。
小さい時はずっと笑っていた。
ニコニコと笑っていれば、みんな仲良くしてくれるんじゃないかって。
実際は逆。
みんな気味悪がって離れていってしまった。