浅葱色の約束。
男ばかりの中で生活することはもう慣れたものだったが、万が一のことがある。
だからいつもかなり遅い時間にお風呂に入っていた。
「だから先に土方さんが入ってきた方がいいんじゃ…」
すると筆を置いた土方さんはチラッと私を捉え、じっと見つめた。
え、なにか悪いこと言っちゃった…?
「…ないかなって、思うの、ですが…」
沈黙が流れる。
幸い暖房の効いているこの部屋は暖かい。
だから土方さんがお風呂に入ってる時間、私はこの部屋でゆっくりくつろいで良いことになっていた。
「それもそうだな、俺も休むとするか」
今日はどうやらいつもより素直な日らしい。
土方さんは書類を引き出しの中に入れると、席を立ち上がる。
「あ、待っててね、着替えを───」
用意するね───とは、言えなかった。
目の前に立った土方さんは私の腕を引き、ひょいと軽々抱えると。
「わっ…!」
奥の一室にあるベッドに優しく落とした。
わずか10秒もないその間に一体なにが起きたというのだろう。